清水の舞台から飛び降りてしまいました!
〜そして全てが至高でした!〜
7月のとある会合で飲んで気持ちよくなった時に「9月にこのメンバーで御飯を食
べに行こう!」とお誘いがあり、酔った勢いから気軽に承ったのがきっかけでした。
もちろんお店の名前など覚えているわけもなくその日が近づいて来ました。ちなみに
こちらはカウンター席6席というこぢんまりとした造りで17時からと20時からの
二部制で営業しています。
お店の場所は天神橋の手前鏡花のみちに入ってすぐのところにあります。夜の浅野
川の光景は幻想的ですよね。さて。。。20時からコースが開始と言うことですが、
お店の中には10分前でないと入れないと言うことで暫く外で待っていました。そん
なわけで川風が心地よくて。。。
時間がやって来て待合の部屋に通されました。まずは熱いタオルを渡されて少し冷
ましてから首の後ろに当てて下さいと言われました。その後、お茶が出されましたけ
ど、大変上品な味で。。。確か玄米茶を煮出したとか言われていたでしょうか?
お茶を飲み終わって暫くしてカウンターのお部屋へと通されました。カウンターが
とてもシンプルですが清潔感と静寂感、そして席に座るとちょっと緊張感が漂う感じ
がしました。そして店主が僕たちを出迎えて下さると何故か僕は自然と「今日はよろ
しくお願いします。」と普段では言わないような言葉が出てしまいました。でもそん
な世界に迷い込んでしまったからでしょうね。
だからと言って特別な飲み物を飲むわけではありません。ハイボールのレモン入り
です。
ただ途中で富山県の日本酒勝駒を1杯だけ頂きました。そしてお料理が始まりまし
た。まずは。。。
先付に氷見産ワタリガニ、オクラ、キクラゲを出汁のジュレで和えたものです。特
にワタリガニをジュレが上品にそしてひんやりと包み込んでいました。
引き続いてお弟子さんが鰹節を綺麗に削り出しました。
その後削り終わった鰹節と昆布を能登中島から取ってきたという水にタイミングを
見計らって合わせていきます。
そして頂いたのがこちらです。鰹節は枕崎で一本釣りされたもので昆布は利尻昆布
を使用しているとのこと。一本釣りに拘ったのは網で獲ったものよりストレスが少な
いので旨味が増しているからだそうです。こちらの一番出汁を出して下さいました。
飲んでみると寸分のくもりもない大変美味しく体の中にスーッとしみ込んでいるみた
いでした。でもこのようなものを提供するのは自信がないと出来ない技ですよね!
そして二番出汁を使ったのがこちらの新蓮根のお吸い物です。蓮根の歯ごたえがと
ても良い感じだったと思います。
続いて店主が白身魚の柵を取り出して丁寧に切っていきました。
こちらも氷見産のきじはたのお造りです。この日は氷見漁港から仕入れてきたそう
なので、魚は富山のものが多いと女将から説明がありましたね・こちらをワサビある
いは塩だけで頂くように薦められました。僕はもちろんワサビだけで頂きましたが、
魚の程良い身の歯ごたえと甘みがほんのりと味わえました。
続いてはアオリイカの子どもだそうです。こちらは生姜醤油で頂いたでしょうか?
こちらは小浜赤ウニお粥です。ウニをお粥で頂くなんて初めての経験でした。
そして大きな川魚は犀川で獲れた鮎です。塩焼きにして頂きましたが、身がホクホ
クと熱く柔らかかったですね。そのまま頂いたりタデに浸けて頂きました。それにし
てもタデが大変濃厚だったのが印象的でした。
自家製テングサのところてんです。鮎の塩焼きでちょっと口の中がしょっぱくなっ
ていたのをサッパリとしてくれたでしょうか?スダチをスライスしたものを一緒に食
べると更に口の中がサッパリしたように思いました。
安原の原種茄子揚げ出し。上品なお出汁が印象的な一品でした。
ひりょうずです。何のことやら分かりませんでしたが、がんもどきの別称だそう
です。続いてご飯がやってきました。
お漬物、半熟卵とご飯です。お米は氷見新保のコシヒカリ精米仕立てです。気の
せいか?米の粒が通常のものより一回り大きく見えましたよ。
ナメコの味噌汁ですね。ここでデザートかと思いきや、女将からこの後ご希望が
あればのど黒飯をご用意していますと案内がありましたので、もちろん所望致しま
した。
こちらがのど黒飯になります。通常ののど黒と違って身に甘めのタレがかかって
これまでののど黒とは違った味わいがありました。ワサビも良いアクセントになっ
ていたと思います。上品な味わいをタレによって更に美味さを引き出したような気
がしました。
続いてはカマス飯になります。こちらは醤油とカマスの甘みが広がっていたよう
に思います。カマスってこんなに美味しい魚だったかな?と思わず見直してしまっ
たご飯でした。
そろそろ〆に入っていきますね。大樋焼の器に盛り付けられた葛饅頭です。あま
り葛饅頭を食べたことがありませんので、その食感や上品な美味さと甘みを堪能し
ました。なお器はそれぞれ拘りがあって説明して頂きましたが、あまり覚えておら
ず申し訳ありません。
デザートの後のお抹茶を点てて頂きまして。。。
山の湧き水白湯を頂いてこの日の献立は全て終了となりました。
この日は氷見から仕入れた魚を中心としたお料理でした。出汁の素材まで拘り提
供されたお料理は素朴な感じですが、驚くほど素材の旨みが引き出されて美味しか
ったですね。お料理のみならず店内の雰囲気、接客などどれを取っても素晴らしか
ったと思います。そう言えば店主の紹介をしていませんでした。店主ご夫妻はまだ
30代とお若いのですが、金沢市を代表する元一流料亭つる幸さんの調理場で働い
ていらした方で大変素晴らしい腕を持った方で昨年5月にこちらでオープンして以
来、その人気は高まるばかりで県外の食通やフードアナリストも頻繁に訪れると言
うことでした。心地よい緊張感と静寂の中で頂く至高のお料理の数々に大変感動し
てお店をあとにしたのでありました。もう何も言うことはありません。ご馳走様で
したm(_ _)mこれは余談ですが。。。こちらのお店、石川県内食べログ総合1位な
んです。更に北陸3県でこちらの点数を上回るお店がありませんので北陸3県第1
位となりますね。
なお、僕1人だけこのようなお料理を食べたら後で妻に何を言われるか分かりま
せんので、2人の記念日となる日に予約させて頂きました(笑)